【24歳で精巣がん!?】僕が新卒入社して半年経った頃の話-Part2-

何があっても、ずっと傍にいるからね、一緒に乗り越えようね

 

あの日のことは今でもよく鮮明に覚えている。

静寂な待合室。

不安と緊張と期待、いろいろな感情が自分の中で混ざっていた。

ついに、僕の名前が呼ばれた。

若い医師だった。おそらく30代前半くらいだろう。

羞恥心を感じつつも、僕は違和感を伝えた。

触診が始まるや否や、医師の顔つきが曇った。

「これは…セミノーマっぽいな…」

と小さく呟き、別の医師を呼びに行った。

セミノーマ…?胸騒ぎがした。

すぐに泌尿器科のトップであろう貫禄のある医師が現れ、再び触診が始まった。

その後すぐにエコー検査をすることになり、

結果を見た医師は僕にこう言った。

「今日は家族などの同伴者がいるのか、もしいれば一緒に聞いて欲しい」

嫌な予感が胸のあたりに充満し始めた。

僕は待合室で不安そうに待っていた彼女を呼んだ。

僕は固唾を呑み、医師の言葉を待った。

「落ち着いて聞いてください、精巣がんの疑いがあります」

僕は耳を疑った。

そして、僕の思考は停止してしまった。

頭が真っ白になるとはこういうことらしい。

その後、医師から今後のことや治療法などの説明があったが、

このとき僕の耳にはまったく入ってはこなかった。

医師の言葉を要約すると、大体こんな感じだ。

この後、がんの転移の有無を調べるために精密検査を行う(血液検査、造影剤CT検査)

摘出はできるだけ早い方が良いので、最短で2日後に入院し、3日後に摘出手術を行う

がんの種類は摘出後に行う組織検査の結果を見ないとわからず、治療法はその結果次第で異なる

あまりにも突然のことで、僕は放心状態であったが、彼女は冷静だった。

彼女は放心状態の僕を連れてまわり、一通り精密検査を終えた。

いつも医療ドラマで見ているCTの機械に自分が入っており、

なんだか不思議な感覚だったことは何となく覚えている。

僕はまだ頭の中を整理しきれていない中、がんの告知があったことを母親に伝えた。

母親はパニック状態になり、病気のことについて色々と質問してきたが、

案の定僕はうまく答えることができなかった。

お互いに話がまったく通じなかったので、僕の代わりに彼女が事情を説明した。

次に僕は会社の上司に連絡をした。

詳細は明日話すことにしたが、誰もが耳を疑っていた。

家までの帰り道、僕は彼女と何を話したのか覚えていない。

僕は不安と悲しみにさいなまれ、彼女の胸の中で泣いた。

彼女も糸が切れたように泣き、互いに抱きしめ合った。

人前で涙を見せるのは何年ぶりだったのだろう。

彼女は僕にこう言った。

何があっても、ずっと傍にいるからね、一緒に乗り越えようね

 

僕はこの言葉を、死ぬまで忘れないと思う。

それくらい、噛みしめて心に刻んだ言葉だった。

夜はまったく眠れなかった。

 

翌日、僕は重たい足で会社に出勤し、病気の詳細について上司に伝えた。

励ましの言葉をたくさん頂き、皆回復を祈ってくれた。

会社での一通りの手続きを終えたところで、

急に胸が押しつぶされそうになった。

ついには呼吸もしにくい状態になり、僕は救護室に運ばれた。

そして、そのまま早退することになった。

嵐のように過ぎ去った2日間だった。

明日は人生初の入院。

僕はどうなってしまうのだろうか。

続く。

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ABOUTこの記事をかいた人

20代後半の会社員。「人生日々勉強」がモットー。精巣がんサバイバー。自身の経験談を中心に、楽天経済圏、ふるさと納税、節約術、ブログ運営、トレンド情報を発信する雑誌ブログを運営。特にふるさと納税について詳しく書いてます! 気軽にフォローお待ちしてます!